書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
韓国・朝鮮の美を読む
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年3月25日
- 書店発売日
- 2021年3月25日
- 登録日
- 2021年2月20日
- 最終更新日
- 2021年3月27日
紹介
日韓両国で大反響を呼んだ『韓国・朝鮮の知を読む』に続き、韓国・朝鮮の美に魅せられた86人が新たな視点で綴る、美のブックガイド。
前書きなど
はじめに
先に『韓国・朝鮮の知を読む』という書物を世に問うた。韓国・朝鮮の知といったものに接近し得る書物について、日本と韓国の知識人、一四〇人の方々が共にしてくださったものであった。〈韓国〉や〈朝鮮〉ということばと、〈知〉ということばが共に記された書物は、日本語圏にあってはほとんど皆無に近かったがゆえに、どうしても作っておきたい書物であった。幸いにして韓国でも翻訳され、多くの方々が手にしてくださった。日本語版も版を重ねた。
『韓国・朝鮮の美を読む』、そう名付けられた本書は、言うまでもなく『韓国・朝鮮の知を読む』の続編である。韓国・朝鮮の〈美〉へと近づく書物には、どのようなものがあるのか――それが本書の問いである。
〈美〉と言ったけれども、それをいかなるものとするのかは、もちろん執筆者の方々に拠る。何よりも、絵画、彫刻、書、工芸、建築、そして音楽や舞踊やパフォーマンスといった、芸術の世界に美を求めることもあるだろう。もちろん、映画があって、ドラマがある。料理があり、衣装があり、装いもあろう。他方、厳格な美学から照らした美を求めることもできるだろう。あるいはまた、天地の間の山川草木や、そよ吹く風に泳ぐ花弁に、美といったものを見出せるかもしれない。かの人の何気ない仕草にも、美が感じられることもあろう。〈話されたことば〉や〈書かれたことば〉の織りなす美といったものも、あるに違いない。詩があり、小説があり、戯曲があり、エッセイがあり、論考があり、記録がある。あるいは日常の隅々にも美は隠れているかもしれない。もっともっと違った、ものや、ことや、営みに、美の深淵が垣間見えるかもしれない。
〈美〉といったものを共にするには、あるいはそれに接近するには、間違いなく〈ことば〉が大切な手がかりとなるであろう。ここに集ってくださった方々が、貴い形にしてくださった〈ことばことば〉の、眩しいほどの誘い、誘いに、読者の皆さんの心震わせる瞬間が、訪れんことを。
書物たちが待っていて、その向こうに、美が、微笑んでいる。
編者 野間秀樹・白永瑞
上記内容は本書刊行時のものです。