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古代日本文学が物語る婚姻・出生伝承 青柳 まや(著) - 花鳥社
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古代日本文学が物語る婚姻・出生伝承

発行:花鳥社
A5判
396ページ
上製
価格 9,500円+税
ISBN
978-4-909832-07-8
Cコード
C3095
専門 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年3月31日
発売予定日
登録日
2020年2月14日
最終更新日
2020年2月14日
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紹介

伝承はどのように生み出され、なぜ記されたのか。

古事記、日本書紀、風土記、万葉集、日本霊異記などを対象に、王権神話に関わる婚姻や、異類婚姻譚、異常出生譚を取り上げ、それぞれを文学史的流れの中に位置づける。
個別の文献や話型の枠を越えて広く見渡し、伝承の背後に隠された古代人の世界観を解き明かす。

目次

凡例

序章 伝承を読み解く方法―本書の目的と構成―
 一 本書の目的と研究方法
 二 取り上げる作品とその意味について
 三 本書の構成と各章で取り上げる伝承の概要

第一章 『古事記』『日本書紀』の神々に見る婚姻伝承の差異
第一節 山の神オホヤマツミ―女神から男神への成立事情―
 一 はじめに
 二 『日本書紀』のオホヤマツミ
 三 『古事記』のオホヤマツミ
 四 『日本書紀』と『古事記』におけるオホヤマツミ像の比較
 五 まとめ
第二節 天孫の母ヨロヅハタヒメ―降臨神話の系統との関わり―
 一 はじめに
 二 ヨロヅハタヒメの登場場面の確認
 三 ヨロヅハタヒメの神名の差異と天孫降臨神話の展開
 四 「栲」の語の意味と「栲幡」の名について
 五 まとめ

第二章 天皇の婚姻・出生伝承と神話の再利用
第一節 大后ヒバスヒメ―新しいタイプの皇后誕生―
 一 はじめに
 二 『日本書紀』との比較
 三 「大后」の呼称
 四 ヒバスヒメの薨去について
 五 ヒバスヒメとサホビメ
 六 サホビメの排除
 七 まとめ
第二節 醜女マトノヒメ―神話を書き換え利用する王権の物語―
 一 はじめに
 二 マトノヒメの位置
 三 イハナガヒメ神話との比較
 四 「見畏」の語について
 五 サホビメとの関係
 六 マトノヒメの死
 七 まとめ
第三節 采女童女君一夜孕みの話型から排除されゆく女性―
 一 はじめに
 二 春日和珥氏について
 三 采女について
 四 童女君の名称と人物像ついて
 五 一夜孕みと父親の疑い
 六 父親の判明
 七 まとめ

第三章 『風土記』に見る巫女的女性の婚姻・出生伝承
第一節 ワキイラツメの逃走婚―『播磨国風土記』比礼墓説話―
 一 はじめに
 二 〔Ⅰ〕景行天皇の下向について
 三 〔Ⅱ〕ワキイラツメの婚姻について
 四 〔Ⅲ〕ワキイラツメの死と墓について
 五 まとめ
第二節 異類婚の失敗―『肥前国風土記』褶振説話―
 一 はじめに
 二 褶振説話異伝との比較
 三 〔Ⅰ〕鏡の渡段の考察
 四 〔Ⅱ〕褶振峰段の考察
 五 〔Ⅲ〕後日譚の考察
 六 まとめ
第三節 母子の別離と在地信仰の終焉―『常陸国風土記』晡時臥山説話―
 一 はじめに
 二 説話の舞台
 三 ヌカビコとヌカビメ
 四 正体不明の男の訪問
 五 子の出生
 六 子の成長
 七 母子の別離
 八 ヌカビコ震殺
 九 社の造立と祭祀形態の変化
 十 まとめ

第四章 始祖・神婚伝承から『日本霊異記』仏教説話への変容
第一節 仏舎利を握った娘―信仰の力を示す装置―
 一 はじめに
 二 女子の出生
 三 仏舎利の出現
 四 女子の死
 五 説話解釈
 六 まとめ
第二節 ヨロヅノコの死―仏教信仰の拡大と非仏教信仰の衰退―
 一 はじめに
 二 歌謡の流行
 三 ヨロヅノコについて
 四 正体不明の男の求婚
 五 ヨロヅノコの死
 六 鏡作坐天照御魂神社の祭神について
 七 説話解釈
 八 まとめ
第三節 舎利菩薩の誕生―民衆教化のための説話生成―
 一 はじめに
 二 妻の出産
 三 肉塊の出生と女子の誕生
 四 女子の成長と出家
 五 尼と二人の僧侶
 六 大安寺の戒明
 七 舎利菩薩
 八 説話解釈と自土意識
 九 まとめ
第四節 石の出生―自土意識と共同体伝承―
 一 はじめに
 二 県の氏の女に関する考察
 三 石の出生
 四 父の判明
 五 説話解釈
 六 まとめ

第五章 『万葉集』巻第十六に歌われる古代人の婚姻観
 一 はじめに
 二 当該歌の人物について
 三 「嗤」について
 四 歌の表現について
 五 左注について
 六 婚姻と美醜
 七 まとめ

終章 古代文学史の中の婚姻・出生伝承と課題
 一 はじめに
 二 第一章について
 三 第二章について
 四 第三章について
 五 第四章について
 六 第五章について
 七 婚姻・出生伝承の文学史的な流れ
 八 今後の課題

初出論文一覧
参考文献
後書き
索引(主要語彙/神名・人名/研究者名)

前書きなど

「……古代における文学史の流れにおいて、婚姻・出生伝承は、各章で見てきたように、古代人の文学的な営為と密接に関わり、それぞれの作品の中で積極的に語られ、利用されてきた歴史を有している。ここには、古代の人々の神話や伝承といった文学的な営為、ひいては、それら文学的な営為を通じた、世界を組み立てるための方法が現れていると考えられる。つまり、自らのよって立つ世界を完全なゼロからではなく、前時代とのつながりの中で立ち上げていくことが、その具体的な構築の方法なのである。
 文学における祖型の変形と利用は、古代文学だけに留まらず、中古以降に見られる物語の翻案や、本歌取りなどにもつながる流れであり、日本の文学史の底流をなす重要な動きであると考えられるだろう。」…「終章」より

著者プロフィール

青柳 まや  (アオヤギ マヤ)  (

1985年 神奈川県生まれ。
2007年 相模女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業
2017年 二松學舍大学大学院文学研究科博士後期課程国文学専攻修了
博士(文学)
現在 二松學舍大学文学部国文学科非常勤講師
専攻 古代日本文学

論文
「『日本書紀』神代紀におけるオホヤマツミの婚姻について」(「古代文学会「古代文学」58号、2019年3月)

上記内容は本書刊行時のものです。