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馬琴と演劇 大屋 多詠子(著) - 花鳥社
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馬琴と演劇 (バキントエンゲキ)

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発行:花鳥社
A5判
720ページ
上製
価格 16,000円+税
ISBN
978-4-909832-01-6   COPY
ISBN 13
9784909832016   COPY
ISBN 10h
4-909832-01-7   COPY
ISBN 10
4909832017   COPY
出版者記号
909832   COPY
Cコード
C3095  
3:専門 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫僅少
初版年月日
2019年2月28日
書店発売日
登録日
2019年2月4日
最終更新日
2024年3月17日
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紹介

稀代の作家・曲亭馬琴にとって、演劇はどのような存在であったのか。

馬琴や山東京伝など、江戸後期の戯作者たちを取り巻く当時の演劇界・出版界を横断的に、かつ立体的に捉えなおすことで、馬琴の創作活動の核心に迫る。
演劇は馬琴の血であり、肉であった。

資料 歌舞伎台帳『園雪恋組題』、黄表紙『加古川本蔵綱目』全文収録!

目次

 凡例

序章

第一章 馬琴の小説観と演劇観

第一節 馬琴の演劇観と「勧善懲悪」―巷談物を中心に―
 はじめに
 一 「淫奔」の否定
 二 世話物から時代物へ
 三 敵役の矮小化
 四 善人の受難の理由
 五 「勧懲」の正不正
 おわりに
第二節 馬琴と近松
 はじめに
 一 近松の「勧懲」
 二 馬琴の「勧懲」と近松の「因果」
 三 『椿説弓張月』と近松の日本優位意識
 おわりに
第三節 馬琴の「人情」と演劇の愁嘆場
 はじめに
 一 演劇の「人情」描写に対する馬琴の批判
 二 演劇の「人情」描写に対する馬琴の評価と利用方法
 三 「義理」「人情」を描いた愁嘆場の利用
 四 類型としての「義理」「人情」の愁嘆場
 五 「人情」と「公道」
 おわりに
第四節 馬琴と忠臣蔵
 はじめに
 一 『夢想兵衛胡蝶物語』の『忠臣蔵』批判と『難波土産』
 二 『南総里見八犬伝』と『忠臣蔵』
 三 『加古川本蔵綱目』と『忠臣蔵』
 四 「罪を悪てその人を悪ず」と『難波土産』 ならびに名詮自性
 おわりに
第五節 馬琴の「小大の弁」
 はじめに
 一 小は大に服せらる
 二 『荘子』の「小大の弁」
 三 『孟子』の「小をもて大に易」
 おわりに

第二章 京伝・馬琴と読本の演劇化

第一節 『昔話稲妻表紙』の歌舞伎化と馬琴
 はじめに
 一 二代目嵐吉三郎と三代目中村歌右衛門
 二 「けいせい輝艸紙」
 三 「けいせい品評林」
 四 『昔話稲妻表紙』と『伊達競阿国戯場』の因果応報
 五 『昔話稲妻表紙』の歌舞伎化と馬琴
 おわりに
第二節 馬琴読本の演劇化―文化期の上方演劇作品における―
 はじめに
 一 文化年間の上方における馬琴読本の演劇化
 二 佐藤魚丸による馬琴読本の浄瑠璃化
 三 近松徳三による馬琴読本の歌舞伎化
 四 その他の作者による馬琴読本の歌舞伎化
 五 読本の演劇化と勧善懲悪
 おわりに
第三節 京伝・馬琴による読本演劇化作品の再利用
 はじめに
 一 浄瑠璃『玉黒髪七人化粧』(文化五年初演)と合巻『うとふ之俤』(文化七年刊)
 二 浄瑠璃『桜姫花洛鑑』(文化四年初演)と合巻『桜姫筆再咲』(文化八年刊)
 三 絵入根本『三勝櫛赤根色指』(文化八・九年刊)と読本『占夢南柯後記』(文化九年刊)
 おわりに 

第三章 読本演劇化をめぐる演劇界・出版界の諸相

第一節 読本作者佐藤魚丸
 はじめに
 一 蝙蝠軒魚丸・佐藤魚丸・佐川藤太・佐藤太
 二 読本作者としての魚丸
 三 魚丸による読本の浄瑠璃化の方法
 おわりに―丸派と演劇―
第二節 河内屋太助による絵入根本の出版と馬琴
 はじめに
 一 絵入根本というジャンルとその呼称
 二 河内屋太助の絵入根本と様式の確立
 三 河内屋太助板の馬琴作品
 四 河内屋太市郎・太次郎
 五 絵入根本における俳優・作者・画工と読本
 おわりに―丸派と河内屋太助―

第四章 馬琴と国家

第一節 馬琴・京伝読本における王権
 はじめに
 一 『松染情史秋七草』と馬琴の南北朝観
 二 『松染情史秋七草』と「お染久松」
 三 『双蝶記』と南北朝
 四 『双蝶記』と『奥州安達原』
 おわりに
第二節 京伝・馬琴読本における辺境―外が浜と鬼界島―
 はじめに
 一 東西の辺境
 二 外が浜と『善知安方忠義伝』
 三 鬼界島と『椿説弓張月』
 おわりに
第三節 馬琴の「武国」意識と日本魂
 はじめに
 一 馬琴の日本意識と「武の国」
 二 馬琴の描く武士と「武威」
 三 馬琴作品における「日本魂」
 おわりに
第四節 馬琴の古典再解釈―『椿説弓張月』と昔話・神話―
 はじめに
 一 馬琴の古典取材と考証
 二 「童話」の考証と古典
 三 「桃太郎」の考証と『椿説弓張月』
 四 日本武尊と為朝
 おわりに

第五章 馬琴と動物

第一節 馬琴と蟹―馬琴の名「解」をめぐって―
 はじめに―馬琴の戯号―
 一 「馬琴」と「解」と司馬相如
 二 馬琴著作における「蟹」
 三 馬琴と秋成
 おわりに
第二節 『南総里見八犬伝』の大鷲
 はじめに―浜路姫と大鷲―
 一 「鷲の噉ひ残し」と父娘の縁
 二 良弁上人と霊鳥
 三 『八犬伝』以前の系譜
 四 『八犬伝』と以後の展開
 おわりに―鷲に掠われるという天災―
第三節 『八犬伝』の政木狐と馬琴の稲荷信仰
 はじめに―『南総里見八犬伝』の政木狐―
 一 狐の報仇と乳母狐―古典の話型の利用―
 二 神獣としての政木狐―中国の文献の利用―
 三 現実空間との呼応―地誌の利用―
 四 他の馬琴読本における狐
 五 馬琴の稲荷信仰
 おわりに―河鯉家と真中家―

附篇

資料一 「けいせい輝艸紙」絵尽しと役割番付 影印・翻刻
資料二 「けいせい品評林」絵尽しと役割番付 影印・翻刻
資料三 『会稽宮城野錦繍』『鎮西八郎誉弓勢』『本町糸屋娘』梗概
  会稽宮城野錦繍/鎮西八郎誉弓勢/本町糸屋娘
資料四 歌舞伎台帳『園雪恋組題』翻刻
  梗概/役割番付/台帳翻刻(一冊目/二冊目/三冊目/四冊目/五冊目/六冊目)
資料五 『加古川本蔵綱目』影印・翻刻・注釈
資料六 文化年間読本演劇化年表

 初出一覧/あとがき/索引

前書きなど

馬琴の演劇観を知ることは、馬琴の読本(よみほん)観を知ることでもある。本書はそうした問題意識のもと、馬琴・京伝読本の作品研究にとどまらず、演劇化作品、浄瑠璃化作者、絵入根本(歌舞伎台帳公刊本)の研究を有機的に結びつけることで、馬琴の演劇観、読本観を明らかにし、演劇界・出版界等との交流のなかに創作環境の実態を浮き彫りにしようとした。(「序章」より)

著者プロフィール

大屋 多詠子  (オオヤ タエコ)  (

1976年生。1999年、東京大学文学部卒業。2007年、東京大学大学院博士課程満期退学。2009年、博士号(文学・東京大学)取得。東京大学文学部国文学研究室助教を経て、青山学院大学文学部准教授。共著に『読本【よみほん】事典―江戸の伝奇小説―』(笠間書院、2008年)。

上記内容は本書刊行時のものです。