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出版者情報
戦争社会学研究4 軍事研究と大学とわたしたち
巻次:第4巻
- 初版年月日
- 2020年6月10日
- 書店発売日
- 2020年5月30日
- 登録日
- 2020年5月11日
- 最終更新日
- 2020年6月1日
紹介
「軍事研究の抑止力であったはずの「学問の自由」「大学の自律性・自立性」は、二一世紀に入って、じわじわと浸蝕されてきたことが、明らかになりつつある」(井野瀬久美惠)
「日本では敗戦後、軍事研究に戦時中に取り込まれたことに反対し「もうしない」という立場の声明を出している。アメリカの場合は、それを科学の成果として誇ってきた」(喜多千草)
「「戦時」と「平時」が溶け合うような状況で、軍事と民事を分けられるのか。何らかの歯止めとなるような理念や土台の共有が求められている」(山本昭宏)
近年、再び学術と軍事が接近しつつある――
多様化・複雑化する学術と軍事の結びつきに対して、大学・研究者はいかに学問の自由を守り、自立・自律するか。
「学術の軍事化」への警鐘を鳴らす。
目次
【特集1 軍事研究と大学とわたしたち】
軍事研究と大学とわたしたち(第一〇回研究大会記念シンポジウム)
西村 明・蘭 信三・井野瀬久美惠・喜多千草
山本昭宏・石原 俊・伊藤公雄・荻野昌弘
【特集2 井上義和著『未来の戦死に向き合うためのノート』をめぐって】
井上義和著『未来の戦死に向き合うためのノート』」をめぐって――特集企画について 浜井和史
研究者は特攻の自己啓発的受容をどう受け止めていくのか――「わかりあえない人びと」を「理解をする」ということ 那波泰輔
「未来の戦死」と「過去の戦死」――井上義和『未来の戦死に向き合うためのノート』を読んで 中山 郁
否定と両立する包摂へ――知覧から市ヶ谷と九段に臨む 井上義和
【特集3 戦争社会学研究会――これまでの10年と今後のあり方】
戦争社会学研究会の設立の思い出に寄せて 青木秀男
戦争社会学が開いた扉――研究会初期一〇年の活動を振り返って 野上 元
【投稿論文】
占領期における京都の都市イメージ構築――「アメリカ」の承認と「非戦災都市」アイデンティティ 小川実紗
一九七二年の皇国少年――今井正『海軍特別年少兵』と一九七〇年代初頭の戦争観をめぐる一考察 小谷七生
特攻隊慰霊顕彰会の歴史――慰霊顕彰の「継承」と固有性の喪失 角田 燎
シベリア抑留者による「捕虜」概念の拒絶と受容 堀川優奈
【書評論文】
近年の模型とミリタリーの関係をめぐる研究について──松井広志『模型のメディア論』を中心に 一ノ瀬俊也
硫黄島認識の転換を迫り、日本政府の歴史的責任を追及する――石原俊『硫黄島』 長島玲央
【テーマ別分野動向】
研究動向 日本の銃後 一ノ瀬俊也
編集後記(福間良明)
執筆者一覧
上記内容は本書刊行時のものです。