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授業実践の限界を超えて 小川 博久(著) - ななみ書房
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授業実践の限界を超えて (ジュギョウジッセンノゲンカイヲコエテ)

教育
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発行:ななみ書房
B5判
並製
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-903355-45-0   COPY
ISBN 13
9784903355450   COPY
ISBN 10h
4-903355-45-4   COPY
ISBN 10
4903355454   COPY
出版者記号
903355   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年3月12日
書店発売日
登録日
2017年11月17日
最終更新日
2019年1月24日
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紹介

授業で展開されている「アクティブラーニング」については授業のテクニックとして用いるのではなく、学級経営とリンクさせてこそ初めて、効果を示すものである。子どもたちの主体的な活動が始まるのは、教師の仕掛けよりも、教師の意図を超えたところで、子どもたちが自発的に展開していくところからである。本庄冨美子の教育実践について、主体である本庄本人を著者にすることで言語的に明確化させ、新たな教育実践として他者に多くの示唆を与えることを期待して刊行した。

目次

序 章 本庄冨美子の教育実践の特色
 第1節 学力のみによって教育は語れるか
 第2節 学力偏重の中での子どもたち
 第3節 現代の学校の問題点と教師の病理
 第4節 本庄教諭との出会い
 第5節 本庄実践の日常について語る
      -エスノグラフィへの導入として-
第1章 子ども一人ひとりが生きる学級経営 ―障碍児が健常児と共に―
 第1節 集団生活の中でケアの精神が生かされる(その1)
      -障碍児H子をめぐる学級生活-
 第2節 集団生活の中でケアの精神が生かされる(その2)
      -障碍児S子と共に楽しむ縄跳び活動-
第2章 集団的知性としての学力 ―学級活動の発展として―
 第1節 身体知の集団的遊び
      -ボール回しの活動を通して-
 第2節 集団による意味理解
      -劇活動〈ごんぎつね〉のリハーサルを通して①-
 第3節 「観る?観られる」関係における相互的学びと発見
      -劇活動〈ごんぎつね〉のリハーサルを通して②-
 第4節 パフォーマンスと意味生成の関連性
      -古典朗読劇のリハーサルを通して-
第3章 子どもが主導する授業
 第1節 学級活動の役割分有に始まる学習主体性の確立
      -4年生理科〈水のゆくえ〉が教えてくれるもの-
 第2節 役割の分有を介して表現の総合性を獲得する喜び
      -学級全員による分担奏を通して-
 第3節 学級仲間の知性を尊重し学び合う授業
      -4年生理科〈関節〉の授業を通して-
第4章 生きたモデルとしての本庄冨美子の教育実践
 第1節 新人教師の授業の援助
      -「ノリ」の共有を高める介入-
 第2節 同僚と共に学び合う自主的な現職研修

      -学ぶ共同体としての「スマイル」-
第5章 臨床教育研究における実践者と研究者
 第1節 自己の教育実践を語る
      -実践者の立場から-
 第2節 臨床教育研究における研究者と
      教育実践者の関係はどうあるべきか
      -研究者の立場から-
 第3節 今後の教育研究のために

前書きなど

 本書は,兵庫県姫路市立荒川小学校を昨年定年退職した本庄冨美子の教育実践を10年間にわたって年間平均3回ほど訪問し,学級活動と授業を観察するとともに,岩田がそれをVTRに撮り,のちに岩田が文字記録として再生し,エスノグラフィとして分析考察した。
この過程では,小川も参加し討論をおこない考察結果を岩田が文章化した。この論文作成には,小学校訪問時における本庄冨美子とわれわれ研究者との話し合いの内容もここに反映されている。ちなみに,この論考の中心となるものは,日本教育方法学会等で発表されたものである。なお本庄冨美子の教育実践については小川博久と岩田遵子の共著で『子どもの「居場所」を求めて』をすでに出版済みである。にもかかわらず,あえて本書をさらに出版する理由は次の点にある。

 ① 前著では,本庄冨美子の学級経営と児童たちの自主的活動の特色にわれわれの分析の焦点があった。しかし,本庄冨美子という教師自身の個性についてはあえて深く考えることはしなかった。なぜなら教育研究の対象があまりに個性的であり過ぎてしまうと,研究成果を他者が応用できないと思われるからである。

 ② しかし,本書ではあえて本庄冨美子の教育実践に対し教師の個性の側か  ら踏み込んでみようと考えたのである。こう考えた理由は,本庄の教育実践としての特性はけっしてパーソナリティによってのみ規定されているのではないからである。むしろ,本庄実践の個性的側面を言語的に明確化できれば,新たな教育実践として他者に多くの示唆になりうると考えたのである。それゆえ,本書では研究者である岩田と小川と共に,教育実践者自身にも参加を仰ぎ,三者で執筆することにした。

 ③ 三者で本書を執筆する過程としては,これまでのように本庄実践を研究者の岩田と小川が当事者の視点を想定した立場から,実践記録をエスノグラフィとして分析し,本庄には自己の実践を自らのことばで語ってもらった。それぞれの内容をお互いに読みあうことを通して,お互いの相互理解を図った。そして,この過程を読者に開くことが本書の意図でもある。

版元から一言

本書は、ある教師の教育実践を10年にわたって追跡し、記録分析したエスノグラフィックな研究である。この実践は子どもの自発的な学級活動を基盤にした劇活動を通して、子ども同士の相互的対話を深化させ、障碍児とのインクルージョンを達成すると共に、高度な教材解釈をも獲得する。テスト主義的教育体制への警鐘の書である ~書籍帯より~

上記内容は本書刊行時のものです。