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万葉集とは何か
永久の挽歌・そらみつ大和の国
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2017年11月
- 書店発売日
- 2017年11月30日
- 登録日
- 2017年11月1日
- 最終更新日
- 2023年3月8日
書評掲載情報
2018-02-10 |
図書新聞
2月17日付第3339号 評者: 聖心女子大非常勤講師 倉持長子 |
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紹介
なぜ第一番目の歌だけが、三百年前の雄略天皇なのか。人麻呂はなぜ非業の死を遂げなければならなかったのか。家持はなぜ死後に身分を剥奪されたのか。さまざまな歌を子細に読み解き、人麻呂の生と死を通して見えてくる新たな答え―消された古代史がいま蘇る、小椋史学の到達点ついに完成。
目次
序 章 そらみつ大和の国
第一部 さまざまな歌から
第一章 そらみつの歌
第二章 あきづしま大和の国
第三章 しきしま大和の国
第四章 大伴家持・歌日記が語る素顔
⑴ 越中時代
⑵ 朝廷時代
⑶ その後の家持
第五章 三輪山へ捧ぐ
⑴ 額田王絶唱
⑵ 十市皇女の死
⑶ 三輪高市麻呂の慟哭
⑷ 三輪山をうたう
第六章 伊予の温泉の歌
⑴ 額田王の歌
⑵ 伊予の温泉とは何か
⑶ 山部赤人の歌
第七章 赤人の二重奏
⑴ 神岳に登りて作る歌
⑵ 明日香の神名備山とは
⑶ 不盡山の歌
⑷ 玉津島の歌
⑸ 春日野に登りて作る歌
第八章 吉野宮行幸の歌
⑴ 柿本人麻呂の歌
⑵ 高市黒人の歌
⑶ 笠金村の歌
⑷ 山部赤人の歌
⑸ 旅人と家持の歌
第九章 高市黒人の孤愁
第十章 憂愁の皇子たち
⑴ 二上山絶唱
⑵ 日の皇子の憂愁
第十一章 志貴皇子家の伝承
⑴ 志貴皇子の憤怒
⑵ 春日王父子と翁舞伝承
⑶ 「翁」の能について
第二部 柿本人麻呂の生と死
第一章 日並皇子挽歌
⑴ 「高天原神話」のテーマ
⑵ 「舎人の嘆き」のテーマ
第二章 巻向の歌
第三章 覉旅の歌
第四章 人麻呂と月人壮子
⑴ 新羅使の古歌と月人壮子
⑵ 月にちなんで
第五章 月照寺の船乗十一面観音
⑴ 船乗十一面観音
⑵ 「ほのぼのと」の歌
第六章 人麻呂と空海
第七章 天香具山の歌
⑴ 舒明・中大兄・持統の歌
⑵ 香具山の屍の歌
⑶ 香具山をうたう
第八章 石中死人の歌
第九章 高市皇子挽歌
⑴ 渡会の斎宮の神風
⑵ 外宮と内宮
⑶ 神風などにちなんで
第十章 石見国へ
⑴ その後の人麻呂
⑵ 人麻呂と石見
第十一章 人麻呂の死
⑴ 「鴨山五首」は語る
⑵ 人麻呂に捧ぐ挽歌
⑶ 巻第二 挽歌追想
終 章 万葉集の誕生
⑴ そらみつ大神の鎮魂贖罪
⑵ 万葉集の誕生
あとがき
前書きなど
万葉集とは何か。四千五百首の歌群に込められたメッセージはいろいろあろう。
古来さまざまに語られてきたように、どのようにも読み取れるところが、万葉集の限りない魅力と言ってよいかもしれない。
そこで今、私なりにその一つを読み取るとするならば、それは『古事記』『日本書紀』によって永久に葬られた「そらみつ大和の国」へ捧げる挽歌集と言ってもよいのではないだろうか。
あらたな相貌を見せてきた万葉集の姿、「永久の挽歌」という仮説を、さまざまな歌から、そして人麻呂の生と死を通して、確かめてみたい。
そんな願いを込めて書いたのが本書である。 (本文序章より)
上記内容は本書刊行時のものです。