書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
植物と語る 公然の秘密の扉
ゲーテとシュタイナーに学ぶ観察法
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年2月25日
- 書店発売日
- 2020年2月25日
- 登録日
- 2019年9月3日
- 最終更新日
- 2020年3月4日
書評掲載情報
2021-04-25 | aromatopia |
MORE | |
LESS |
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2020-09-03 |
MORE | |
LESS | |
初心者でもシュタイナー思想が系統的に理解でき、新しい芸術実践の可能性を感じさせてくれるという評判の本です。美しい挿絵を見ているだけで癒されるという読者の声もいただいています。 |
紹介
シュタイナー思想に基づく絵画・芸術療法の第一人者である著者が伝える20年間の実績。専門家でなくても、誰にでも、どこででもできる植物観察のこの方法は、心が解放され、人とつながり、少しずつ視野が開かれていく体験へと人々を誘います。植物観察と並行して行なわれてきた絵画の協働性の追求としての「水彩画による連作」も掲載。目で見ても感じても楽しい一冊です。
目次
目次
まえがき
Ⅰ 観るということ
初めの出会い-感情
考えるということ-思考
描くということ-意志
知るということ-認識
認識に至る道
Ⅱ 観察の実際-方法
全体を見る-印象〈出会い〉
事実を観る「体」
①形態と色、事実を記述する
②時間経過に従って記述する
③思い出しながら描く-表象
心を通わせる「魂」
草花の本質を観る「霊」
Ⅲ ゲーテの指針-生命の法則
成長と再生、衰微
らせん運動〈二重らせん〉
収縮と拡張
メタモルフォーゼ(変容)
「植物」-ゲーテの言葉
Ⅳ 植物と人間
人間の三層構造と植物の三要素との関係
①人間の頭部-神経感覚系-根
②胸の領域-循環器系(リズム機構)-葉
③手足と生殖器の領域-代謝四肢系-花
Ⅴ 四大元素と四つのエーテル
元素とエーテルを描く-白黒線描
①火-熱エーテル
②空気-光エーテル
③水-音エーテル、数エーテル、化学エーテル
④地-生命エーテル
Ⅵ 形が生まれる-フオルメン線描
Ⅶ 色彩が生まれる
Ⅷ 水彩画による連作
Ⅸ 協働について、その可能性-座談会
ゲーテの色環
シュタイナーの色環
協働作品
あとがき
前書きなど
“よく観れば、≪自然≫はその公然の秘密を明らかにする”
とゲーテは彼の『形態学論集、植物編』の中で語っています。
この謎めいた言葉は何を伝えようとしているのでしょう?
ゲーテの時代から200年以上経った現代の私たちは、物質的・科学的技術主義の発展する中で、自然との関係をどのように持てばよいのかを模索しています。“地球の衣”である植物界。植物はもっとも純粋な形で「生命の秘密」をその姿の中に明かしています。光と闇の織り成す緑の草原を歩けば、私たちは身も心もさわやかになり、緑の木々の間や森の中では、深い呼吸と共に、生き還ったように感じます。私たちが暮らすこの地球は、たくさんの植物で覆われています。自然は私たちの生活の傍にあって、当然のごとく、黙しています。そして私たちはその恩恵を、ほとんど無意識に受け取っているのです。
ゲーテの自然観に深く影響を受けたシュタイナーは“植物学は根源的な生命世界に目覚めることである”と言っています。植物の世界は調和的な世界です。太陽の熱と光、風や雨の恵みを受け、大地の力を受け取り、規則正しく自然界の法則に逆らうことなく身をゆだねています。したがって注意深く見れば、その姿の中に自然界の法則性を見て取ることが可能です。ですから植物界に関心を持ち、観察し、記述し、考えることは、生命の成り立ちに出会い、驚きと共に少しずつ生命世界に分け入る体験となります。そしてそうした行為を通して、私たちと世界との関係性がより具体的に現実性を帯びて、確かなものとなり、「この世界があって、ここに私がいる」という実感がわいてきます。またそれは宇宙や自然界の姿には自分自身も責任の一端を担っているという、私たちの自覚を促すことでもあります。
版元から一言
吉澤明子先生と一緒に2年かけて創り上げた植物観察の本が出来上がってきました。
何だか、感無量です。
那須にいらっしゃって超多忙な吉澤先生とスケジュールを組んで、
何度も何度もSkypeで原稿を推敲したこと。
デザイナーさんと、それはモー大変な作業を綱渡りのように行ったこと。
急遽、3人の集まれる真ん中の場所のウィメンズプラザで集まったりして、
不思議に超多忙であるにもかかわらず、ピンポイントで集まれる時間が降って来て、
ギリギリセーフって感じが何度もあって、本当に本当にハラハラしながら、
何とか無事に綱を渡り切ったという感じです。
著者さんの語り口で、声が聞こえてきそうな本です。
そこは、一番大事にした部分です。
吉澤先生の言葉でと。
読んで下さった方から「吉澤先生の話している姿が目に浮かぶ」
と言っていただけたことが、嬉しいです。
どうぞ皆さま、お手に取ってぜひ読んでください。
上記内容は本書刊行時のものです。