書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
ホノルル ペストの火 1900 年チャイナタウン炎上事件
- 出版社在庫情報
- 不明
- 書店発売日
- 2022年8月2日
- 登録日
- 2022年7月12日
- 最終更新日
- 2022年7月23日
書評掲載情報
2022-08-28 |
産經新聞
朝刊 評者: 勝田吉彰(関西福祉大学教授・精神科医) |
MORE | |
LESS |
紹介
火のおかげで、ホノルルのチャイナタウンからペストはなくなった。火のおかげで、家も、金も仕事も生活も、チャイナタウンそのものも、丸ごと焼けてなくなった。
1899年、ハワイのホノルルをペストが襲った。チャイナタウンと呼ばれる、中国や日本からの移民が形成したスラム街が流行の中心地となった。三人の医師がペストに立ち向かい、ハワイ全土に及ぶ絶対的権限を与えられて大胆な公衆衛生政策を遂行していった。
三人の医師はきわめて優秀だった。当時最先端の細菌学を活用しただけでなく、過熱する世論を抑制し、現場の声に耳を傾け、何よりもハワイの伝統文化に対する深い敬意を持っていた。
しかし三人が汚染された建物の焼き払いという策を打ったとき、火は思いがけない突風のため燃え広がり、チャイナタウンのほぼ全域が焼け落ちた。
これは、一方では公衆衛生政策の勝利の歴史である。しかし同時に、人種差別と帝国主義に強く影響された悲劇の記録でもある。
当時の新聞や議事録、オーラルヒストリーなどの博捜に基づく圧倒的ディテールによって、歴史・政治的背景と複雑に絡み合う思惑と理想と偶然が再生される。
目次
プロローグ
1章 一八九〇年代のペストの世界的流行
2章 ハワイの「既存政府」
3章 ペスト菌の到来
4章 政府のペストファイター
5章 隔離
6章 十二月の討論と「悲しいクリスマスプレゼント」
7章 火を使う判断
8章 公衆衛生政策と「偉大な医師の会議」
9章 火で戦う
10章 チャイナタウン炎上
11章 収容所
12章 三人組はまだ奮闘を続ける
13章 残敵掃討の不満
14章 その後
訳者あとがき
版元から一言
行ったことがあってもなくても、きっとあなたの中のハワイの景色が変わります。
上記内容は本書刊行時のものです。