版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
隔離の文学 増補新装版 荒井 裕樹(著) - 書肆アルス
.
【利用可】 (連絡不要)

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

不明

取引情報

取引取次:
地方小     ト・日・他     書店
直接取引:あり

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

隔離の文学 増補新装版 (カクリノブンガク ゾウホシンソウバン) ハンセン病療養所の自己表現史 (ハンセンビョウリョウヨウショノジコ ヒョウゲンシ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:書肆アルス
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ28mm
380ページ
並製
価格 3,000 円+税   3,300 円(税込)
ISBN
978-4-907078-52-2   COPY
ISBN 13
9784907078522   COPY
ISBN 10h
4-907078-52-8   COPY
ISBN 10
4907078528   COPY
出版者記号
907078   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年1月31日
書店発売日
登録日
2026年1月26日
最終更新日
2026年1月26日
このエントリーをはてなブックマークに追加

受賞情報

サントリー学芸賞(第47回)  《池田晶子記念》わたくし、つまりnobody賞(第15回) 

紹介

ハンセン病者への隔離政策が確立する1930年代から、軍靴響くアジア・太平洋戦争期を経て、民主主義を謳歌する1950年代まで――この激動の時代に、病者自身が描いた文学作品を研究・考察した10章に、新たに1章を増補しました。
ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合ってきたのか。また逆に、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。
本書は、終生隔離という極限状況に置かれた者が、いかにして「抑圧された生命を生きる意味」を紡ぎだすのかという問いに挑みます。

目次

はじめに 短くて長い助走のために
1、「文学」の資格
2、「隔離の文化」
3、各章の構成

第1章 隔離する文学ーー「癩予防協会」と患者文学の諸相
1、はじめに
2、療養所における文学の誕生
3、患者を誘う言葉
4、隔離の自画像
5、結びにかえて

第2章 「断種」を語る文学ーーハンセン病患者の文学にみる優生思想
1、はじめに
2、園内結婚と「断種」
3、「癩予防協会」募集原稿に見られる「断種」観
4、戦後文学に見られる「断種」観
5、結びにかえて

第3章 〈身振り〉としての「作家」――北條民雄の日記精読  
1、はじめに
2、二冊の日記
3、療養所の変化と知識人
4、〈身振り〉としての「作家」
5、強くて弱い自己 
補節、「相談所患者」という存在


第4章 「癩」の「隠喩」と「いのち」の「隠喩」――北條民雄「いのちの初夜」と同時代
1、はじめに 
2、「癩文学」の季節
3、「文学そのもの」という価値観
4、「いのちの初夜」読解
補節、戦後から見た北條民雄

第5章 御歌と〈救癩〉――近代皇族の文学はいかに問い得るのか  
1、はじめに
2、両大戦間期の皇室変容と隔離政策  
3、貞明皇后と〈救癩〉 
4、御歌と神格化
5、患者たちの御歌
6、結びにかえて 

第6章 「病友」なる支配――小川正子『小島の春』試論  
1、はじめに
2、長島愛生園と「家族主義」 
3、隔離政策と天皇制
4、小川正子と「病友」
5、結びにかえて

第7章 ハンセン病患者の戦争詩(前編)――近くて遠い詔勅  
1、はじめに
2、「十二月八日」の自画像 
3、ハンセン病患者の語り

第8章 ハンセン病患者の戦争詩(後編)――隔離の中の〈大東亜〉 
1、「真珠湾」への夢  
2、引け目と逆接の自己
3、遥かなる〈大東亜〉 
4、沈黙という詩

第9章 「療養文芸」の季節ーー〈弱さ〉の自画像
1、はじめに
2、「患者運動」と「療養文芸」
3、「病室」という名の監房
4、「卑屈感」と沈黙
5、「オリオンの哀しみ」読解
6、結びにかえて

第10章 文学が描いた優生手術ーーハンセン病患者は「断種」をいかに描いてきたか?
1、はじめに
2、戦前・戦後の状況ーー「癩者」から「人間」へ
3、戦後文学の中の「断種」ーー「人間」という規範
4、自己卑下の中の「反抗」ーー「断種」を描いた詩作品
5、結びにかえてーー更なる課題へ


第11章 ハンセン病療養所の性的少数者――船城稔美論 【増補】
1、はじめに  
2、再検討すべき自説――優生手術を描いた文学 
3、公表された「事実」 
4、詩人・船城稔美の生涯
5、一九五〇年代の優生手術
6、詩「無精卵」再読――「異質さ」の所以は問えるのか
7、結びにかえて

版元から一言

刊行から15年を経て新資料を考察した、

  第11章 ハンセン病療養所の性的少数者ーー船城稔美論

を増補、装い新たに刊行します。

医学者でもなく社会運動家でもない著者は、20代の院生時代に、「文学研究」というパスポートのみを携えて、ハンセン病者の暮らす隔離施設に通い、当事者の話に耳を傾け、ハンセン病図書館の資料の海に身を浸し続けました。
本書はそんな日々を基礎にもつ研究者の原点かつ集大成であり、日本における当事者研究のさきがけです。
  第5章 御歌と〈救癩〉
では、皇族が詠む和歌が、ハンセン病者の隔離政策にどのように機能したのかを、
  第6・7章 ハンセン病者の戦争詩(前・後編)
では、自己を「社会に役立たない存在」とする、今日では明らかに否定されるべき優生思想の根を深く掘り下げます。
本書は一貫して、凄惨な歴史に潜む生命活動の本質を追究しています。

著者プロフィール

荒井 裕樹  (アライ ユウキ)  (

(あらい・ゆうき)
1980年東京都生まれ。二松學舍大学文学部教授。文筆家。専門は障害者文化論、日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。著書に『障害と文学――「しののめ」から「青い芝の会」へ』、『凛として灯る』(ともに現代書館)、『生きていく絵――アートが人を〈癒す〉とき』(亜紀書房、のちにちくま文庫)、『障害者差別を問いなおす』(ちくま新書)、『車椅子の横に立つ人――障害から見つめる「生きにくさ」』(青土社)、『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)、『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』(教育評論社)、『無意味なんかじゃない自分――ハンセン病作家・北條民雄を読む』(講談社)など。
2022年、第15回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。
2025年、第47回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。