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ところで軍国少女はどこへ行った 本田 和子(著) - ななみ書房
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ところで軍国少女はどこへ行った (トコロデグンコクショウジョハドコヘイッタ)

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発行:ななみ書房
A5判
184ページ
並製
価格 1,200円+税
ISBN
978-4-903355-83-2   COPY
ISBN 13
9784903355832   COPY
ISBN 10h
4-903355-83-7   COPY
ISBN 10
4903355837   COPY
出版者記号
903355   COPY
Cコード
C3000  
3:専門 0:単行本 00:総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年4月15日
書店発売日
登録日
2019年3月13日
最終更新日
2019年4月14日
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紹介

 戦争がはじまったとき,少女は小学校低学年だった。工場動員は免れた。その代わり、校庭に薩摩芋を植えたり、人手不足の農家に農作業の手伝いに行かされたりした。その頃歌われた『学徒動員の歌』、すなわち、「君は鍬取れ、我は鎚、戦う道に二つなし」という戦時歌謡さながらであった。こんな歌に励まされ、お米や野菜を作ることは重要だと思っていたから、とにかく真面目に働いた。何しろ、この戦いは正しく、神州は不滅であると教え込まれていたから、どんなに敗け戦が続いても、日本が敗けるなどとは考えもしなかったのである。
 こうした「戦争観」の中で、少女たちは「少国民」となり、「軍国少女」へと成長した。こうした「日本観」は、「皇国史観」に基づく「日本国史」の授業で、しっかりと形成されていた。それに、勇壮で覚えやすい戦時歌謡は、少女たちの心を揺さぶり、「正義のための聖なる戦い」を疑うこともなかったのである。
 今,大人になった少女が「日本国史」と「戦時歌謡」を取り上げて、自分自身を語ってみようと考えたのは、こうした所似に他ならない。そして、このことは、「私」という一人の子どもの物語でありつつも、あの時代を生きた同世代の女たちにとっても、共有される物語に他ならない。

目次

はじまりのことば
第一部 戦時下の学校教育 
 第一章 「日本国史」の教育力
  ⑴  「縄文」も「弥生」も知らない子どもたち
  ⑵  「ヤマトタケル」の物語
  ⑶ 南北朝と後醍醐天皇
  ⑷ 吉野の行宮に集った「いい人」たち
  ⑸ 護良親王異聞
  ⑹ 天皇のよしあし
  ⑺ 私にとっての「いい人」たち
  ⑻ 大政を天皇に返した徳川最後の将軍

 第二章 私たちの万葉集
  ⑴ 撃ちてし止まむ
  ⑵ 防人のうた
  ⑶ 大君の辺にこそ死なめ
  ⑷ 生ける驗あり
  ⑸ 自分勝手な「万葉集」

 第三章 子どもたちの「唱歌教育」
  ⑴ 四大節の歌
  ⑵ 唯一無二の日本
  ⑶ チョクゴホートーカ(勅語奉答歌)
  ⑷ 日本を讃える歌
  ⑸ アジアの盟主

第二部 戦時歌謡と子ども
 第一章 歌の力・歌詞のイメージ
  ⑴ 音楽を動員せよ
  ⑵ 映画とその主題歌
  ⑶ 唱歌コンクールと戦時歌謡
  ⑷ 唱歌コンクールと教科書の歌
  ⑸ 従軍看護婦ごっこ
  ⑹ ハニホヘトイロハ
  ⑺ 戦時歌謡と兄弟喧嘩
  ⑻ 「 私」の愛唱した戦時歌謡
  ⑼ 「任侠もの」の隠れ流行
  ⑽ 靖国神社の歌
  ⑾ 連合艦隊司令長官の死
  ⑿ 桜とアリラン

 第二章 子どもの戦争体験
  ⑴ 歌詞の力
  ⑵ 選民思想と日本神国論
  ⑶ 戦時歌謡の巧みさ
  ⑷ 替え歌のこと
  ⑸ 拡散者としての子ども
  ⑹ 子どもたちの戦時歌謡
  ⑺ 戦時歌謡と遊び歌
  ⑻ 戦時歌謡と私

 第三章 私という子どもの戦時観
  ⑴ 辞 世
  ⑵ 食べ物のこと
  ⑶ 母の江戸褄
  ⑷ もんぺと救急袋
  ⑸ 愛国百人一首のこと
  ⑹ 陸軍情報局推薦の映画鑑賞
  ⑺ 戦争ごっこ
  ⑻ 弟妹を哀れむ
  ⑼ 真面目だった「母」の真面目だった「子ども」
  ⑽ 文語体の活用

第三部 軍国少女はどこへ行ったか
 第一章 私の戦後体験
  ⑴ 戦いすんで日が暮れて
  ⑵ 子どもは一直線
  ⑶ 男女同権
  ⑷ 洋書のこと
  ⑸ ダンスパーティー
  ⑹ 皆で旅行をしましょう
  ⑺ ところで軍国少女はどこへ行った?

版元から一言

戦争が始まったとき少女は小学校低学年だった。この戦いは正しく神州は不滅であると教え込まれていたから、どんなに敗け戦が続いても日本が敗けるとは考えもしなかった。少女たちは「少国民」となり、「軍国少女」へと成長した。こうした日本観は、「日本国史」の授業でしっかりと形成され,勇壮で覚えやすい「戦時歌謡」は、少女たちの心を揺さぶり、正義のための聖なる戦い」を疑うこともなかった。今,大人になった少女が「日本国史」と戦時歌謡」を取り上げて、自分自身を語ってみようと考えたのは、こうした所似に他ならない。

上記内容は本書刊行時のものです。